クレジットカードの国際ブランド、発行会社の違いについて解説していきます。
クレジットカードの基礎知識に関しては、別の記事にまとめているので、そちらを参考ください。
クレジットカードは、「クレジットカード基礎知識」でも紹介したように、基本的に、提携会社(=クレジットカード発行会社)を通して発行され、その提携先ごとの特徴に応じて以下のように分類されることがあります。
- 信販系
- 航空、交通系
- 流通系
- ガソリン系
- ネット&ポイント、通信系 …etc
※一部、国際ブランドが発行する「プロパカード」と言われるカードも存在します。
この記事では、全ての国際ブランドごとの違いや、各種クレジットカード発行会社の違いや、特徴、メリットについて紹介していきます。
国際ブランド
国際ブランドとは、クレジットカードの決済サービスを提供しているブランドのことを指します。
クレジット決済を利用できるかできないかは、この国際ブランドによって決まります。
そのため、生活スタイル、利用シーンに応じて選んでいくことが必要です。
また、決済ブランドにも2種類存在し、
決済機能の利便性を重視した、「決済ブランドカード」とサービスやサポート、ステータス性を重視した「T&Eカード」の2種類存在します。
※T&E…トラベル&エンターテイメントのことで、旅行やエンターテイメントに関するサービスやサポートが充実しているカードブランドを指します。
しかし、、、
近年、決済カードとT&Eカードの垣根は低くなってきています。
以前までは、役割が明確に分けられていました。しかし、近年では決済カードブランドとされていた「JCB」「Master Card」がT&Eに関するサービスに力を入れていて、クレジットカードにとってT&Eに関するサービスは今や必須となっています。
また、クレジットカード決済網に関しても国際ブランド同市が提携することで決済ネットワークが広がっているため、決済カードブランド、T&Eカードブランドという区別はなくなりつつあります。
以下では、5大国際ブランドと言われる「VISA、MasterCard、JCB、AmericanExpress、Diners Club」の違いや特徴について説明していきます。
決済カードブランド
決済カードとは、その名の通り「決済機能の利便性が高いブランド」です。
VISA
5大国際ブランドの中で、もっとも高いシェアがあり、利用できる国の数も他の国際ブランドよりも多く、Visaさえ所持していればどこの国でも利用できる特徴があります。
そのため、メインカードとしてもサブカードとしても重宝する国際ブランドです。
- 海外で利用する可能性のある方
- 初めてクレジットカードを持つ方
- 国際ブランドのイメージや信頼性を重視する方
Master Card
Visaに次ぐ海外シェア率を誇る国際ブランドです。
Visaがアメリカ方面に加盟店を多く持つ一方、MasterCardはヨーロッパ方面に加盟店が多いと言われています。
日本国内でもVisaとほぼ同等の人気があり、Visaが利用できる店舗でMasterCardが使えないことはほとんどありません。VisaかMasterのどちらかを持っていれば多くの場面で問題ないと言えますが、海外のATMでキャッシングをする場合、どちらかしか利用できないケースも。
海外利用が多い方、海外キャッシングを利用する方は、両方のブランドを持っておくと安心です。
- 国内/海外問わずに利用したい方
- ヨーロッパを中心に海外での利用が多い方
- MasterCardだけの体験や優待サービスを利用したい方
JCB
株式会社ジェーシービーが運営する国際ブランド。5大国際ブランドの中で唯一の日本生まれ。
日本国内でシェアが高いのが特徴で、日本ならではの細やかな付帯サービスやサポートが人気です。
サポートは全て日本語対応しているため、海外滞在時サポートセンターへ電話してもスムーズに意思疎通ができます。
- 国内、もしくはハワイでの利用が中心の方
- いざというときに日本語でサポートを受けたい方
- 別の国際ブランドのクレジットカードを所持している方
T&Eカードブランド
「T&E」とは、トラベル&エンターテイメントのことで、旅行やエンターテイメントに関するサービスやサポートが充実しているカードブランドを指します。
決済カードに比べてカードのステータス性が高く、富裕層や経営者など、多くのお金を動かす必要のある方を中心に利用されているのが特徴です。
American Express
年会費と引き換えに、ホテル・レストランの優待や、空港ラウンジ利用などの各種サービスが充実しています。
その内容は、同クラスの他社クレジットカードと比較するとワンランク上とされています。
そのため、決済手段が利用目的でなく付帯サービスを目的に所持する人が多い国際ブランドで
- 高いステータスのクレジットカードを持ちたい方
- 充実した優待サービスや保険を利用したい方
- JCBの加盟店が多いアジア圏を中心に利用する方
Diners Club
世界で最初の多目的型クレジットカードで、American Expressと同様に「T&Eカード」と呼ばれる国際ブランドの1つ。所持ステータスが高いことで知られており、審査では収入や過去の利用履歴などが厳しく評価されます。
その分、優待サービスは充実しており、ホテルのアップグレード、ゴルフ場の優待、国内外1,000カ所以上の空港らう人を利用できるサービスなど、あらゆる特典が付属しているのが特徴です。
いざという時の補償も手厚く、最高1億円が補償される国内旅行傷害保険や年間500万円まで補償されるショッピング保険などを付帯。コールセンターの対応も高い評価を得ています。富裕層や海外利用が多い方に人気の国際ブランドです。
- 決済カードは既に所持しており、サブカードを探してる方
- グルメ方面でのサービス充実を求める方
- 高ステータスのカードを所持したい方
ここまでは、決済機能を有する「国際ブランド」に関して説明してきましたが、
以下では、実際にクレジットカードを発行している提携先の違いや特徴について説明していきます。!
クレジットカード発行会社
クレジットカード発行会社比較
クレジッカードは、発行会社や提携会社によって、「~系カード」とカテゴライズされることが多いです。特に、提携カードの場合、提携先の会社の本来の事業に関連する特典をカード会員に提供することが多いため、カードの特徴を示すのに便利なための呼び名となっています。
例えば、、、
「ガソリンの値段がリッターあたり●●円安くなる」
クレジットカード会社が石油会社と提携し発行しているので、
「石油系クレジットカード」「ガソリン系カード」「オイルカード」と呼ばれる。
「~系カード」という呼び方は、カテゴライズの厳密な定義があったり、特定の団体が命名しているわけではなく、あくまで俗称です。
しかし、カードの種類は非常に多く、1つ1つの名称を挙げていくのは困難なため、本記事でも各種カードをジャンル別に紹介していきます。
銀行系カード
銀行系クレジットカードは、銀行や銀行の関系列会社が発行しているクレジットカードです。
多くの銀行で独自のクレジットカードを発行しています。
有名なカードには三井住友カードが発行している三井住友カード、三井住友信託銀行グループが発行している三井住友トラストVISAカードなどがあります。
また、最近ではソニーカード、SBIカードなど、ネット銀行系のクレジットカードも発行されています。
銀行系カードには、「自分が口座を持っている銀行」でクレジットカードを発行して利用すると、銀行に特化したサービスが受けられるカードもあります。
・時間外ATM手数料が無料に
三井住友信託銀行グループが発行しているミライノ カード GOLDは、クレジットカードの引き落とし口座を住信SBIネット銀行に設定すると、ATMでの時間外引き出し手数料が月7回まで無料、他行への振込手数料も月7回まで無料などの特典を受けられるサービスもあります。
・信頼性が高い
銀行系クレジットカードは他のクレジットカードと比較して審査難易度が高い分、信頼性が高いのが特徴です。
特に三井住友VISAカードは日本初のVISAカードなので、その歴史からも安心のイメージがあります。
特典が受けられるなら、自分が普段使っているメインバンクのクレジットカードを作ってみるのもいいかもしれません。
信販系カード
信販は「信用販売」の略で、その名の通り信販会社は信用を販売している会社となります。
たとえば自動車ローンやショッピングローンなども信販系の会社がおこなっています。
また、商品の代金を店に立て替えて支払い、商品を買った人にあとから請求する「分割払い(割賦販売)」も信用販売の事業です。そんな信販系クレジットカードには以下の特徴があります。
- 古い歴史があり信頼性が高い
- 銀行系カードほど、審査難易度は高くない
- プロパーカードを発行できる(JCB・アメックス)
※プロパカード…国際ブランドが自社で独自に発行しているクレジットカードのこと
航空系カード
航空会社とカード会社が提携して発行する「マイレージカード機能付き」のものが存在します。
メリットは、飛行機の利用はもちろん、ショッピングやホテルの予約などでも気軽にマイルが貯められる点です。 搭乗時のマイルがアップする利用特典やカードを継続する際にポイントがプレゼントされるケースもあり、通常のマイレージカードよりもポイントが貯まりやすくなっています。
また、通常のクレジットカードは、獲得したポイントをマイルに交換するひと手間が必要です。なかには、ポイント→マイルへの交換時に1%以下の還元率になってしまうものもあるでしょう。 マイル系のカードは交換時のマイル還元率が高かったり、カード自体で直接マイルを貯められたりします。
そんな、航空系カードには以下の特徴があります。
1.マイレージプログラムとの互換性
JALとANAではマイレージプログラムが異なります。ANAで貯めたマイルを、JALで利用することはできません。
他社ポイントにいったん交換して各社のマイルに移行するのも可能ですが、手間がかかるうえに手数料などで損をする場合もあるでしょう。
航空会社には「アライアンス」という同盟関係が存在します。同じアライアンスはマイレージプログラムで提携しており、どの航空会社を利用しても同じ種類のマイルが貯まるのがメリットです。 貯めるマイルに対して還元率やボーナスポイントなどがあるカードを選ぶと、効率的に貯まります。
2.有効期限、移行条件
マイルをコツコツ貯めたい人は「ユナイテッド航空」や「デルタ航空」など、有効期限がない航空会社のカードのほうが適しているかもしれません。
また、ANAカードで貯めたポイントをマイルに移行する際は「移行上限」に注意が必要です。
交通系カード
交通系クレジットカードは、毎日使っている電車やバスから、交通機関の利用でポイントがどんどん貯まっていくカードです。
地域別交ICの一覧は下記の通りです。
- 北海道 ⇨ Kitaca、SAPICA
- 東北・関東 ⇨ Suica、Pasmo
- 中部 ⇨ manaca
- 関西 ⇨ ICOCA、Pitapa
- 九州 ⇨ SUGOCA、nimoca
1.一体化機能
まずは、クレジットカードとICカードが一体となっているICカード一体型機能。1枚でICカードとしての機能とクレジットカードとしての機能を兼ね備えているので、財布がかさばることなく持ち運べます。
2.定期券機能
続いての定期券機能は、通常のICカード機能に加えて定期券としての役割も果たすので、通勤通学などで交通機関を利用する人にとっては、さらに便利な機能です。
3.オートチャージ機能
最後は、ICカードの残高が一定金額を切ったら、自動的に指定口座からチャージされる、オートチャージ機能。ICカードの残高がなくなって、改札で止められることがなくなるのはありがたいですね。
※SuicaとJALカード、空と陸のポイントが一つになったカードも存在します。
流通系カード
スーパーやデパート、コンビニなどが発行しているカードで、食料品、日用雑貨などの買い物での割引などが受けられます。
代表的なのは、イオンカード、セブンカード、エムアイカードなどです。
最近は、アウトレットや専門店街、中小のスーパーなどでも続々と提携カードを発行し、独自の特典を提供しています。
たとえば、、、
「セブンカード・プラス」を持っていると、毎月8日・18日・28日(8の付く日)は、全国のイトーヨーカドーとネットスーパーで、食料品・衣料品などが5%OFFになります。
「イオンカード」では、イオングループでの買い物が毎月20日・30日が5%OFF、5日・15日・25日はポイント2倍などの特典を受けることができます。
食料品・日用品の買い物の支払いをクレジットカードでまとめて支払えば、家計の把握がしやすく、ポイントも貯まってお得になります。
また、高価な買い物は割引やボーナスポイントの付く○○デーを狙って買うことで、さらにポイントが貯まりやすくなりますね!
ガソリン系カード
ガソリンカード(ガソリン系クレジットカード)とは、ガソリンスタンドを運営する企業や関連企業が発行するクレジットカードです。
コスモ石油、ENEOS、出光、出光昭和シェルなどのガソリンスタンドで割引やキャッシュバックなどの特典が受けられます。
よく行くガソリンスタンドのカードを1枚持っておけば、お得にガソリンが給油できるうえに、キャッシュレスで給油や洗車などが利用できるのでとても便利!
・ガソリン代が安くなる
「ガソリン代が○円/L割引になる」「入会キャンペーンで○円/L割引がある」など、ほとんどのガソリンカードにはガソリン代が安くなる特典が付いています。
・ロードサービス付帯のカードがある。
タイヤのパンクやガス欠などに対応してくれるロードサービスに格安・無料で入会できる特典もあります。
・追加でETCカードが発行できる
高速道路を通行する際には、いまや欠かせないETCカード。追加カードとして年会費・新規発行手数料が無料で発行できるものも多く、ETC利用代がクレジットカードと一緒に引き落としされるため、毎月の家計管理が便利になります。もちろんETC利用代もポイント加算の対象になります。
ネット&ポイント、通信系カード
ネット系クレジットカードとは、インターネットショッピング・サイトを運営する「楽天」や「Yahoo!」などが発行しているクレジットカードです。
自社が運営するショッピングサイト内で商品を購入したり、旅行を予約したりすると、支払額に応じてポイントが付きます。
よく利用するネットショップがあるならどんどんポイントが貯まるので、1枚だけでも持っておくのがおすすめです。
一方の通信系クレジットカードとは、
dカードなど、電話会社各社が発行しているクレジットカードです。
自分が普段利用している携帯や固定電話、プロバイダーの系列会社のカードを利用すれば、貯まったポイントを電話代やプロバイダー使用料に充てることもできます。
まとめ
クレジットカードには、VISAやJCBといった国際ブランドがあり、そのカードが使えるのは原則、国際ブランドの加盟店に限られます。
また、決済機能だけでなく発行する提携会社に応じてサービスや特典が異なってきます。
少し長い目で自分の生活、ライフスタイルを創造して、自分に向いているクレジットカードを選ぶようにしましょう。